実験系研究者のいんちき大規模計算

計算が本業の方には遠く及びませんが、、、

Materials Studioを利用して実験系研究者が経験ゼロから計算科学する part 1

管理人のpimatechです。このシリーズではMaterials Studioを使用したDFT計算、固体量子計算について、細かいことは置いておいてまずは動かしてみる!を叶えられるような解説をしていく予定です。計算モジュールとしては、Dmol3, CASTEPの解説を検討してます。
part 1では、計算の流れの把握と必要なソフトの準備(東工大の場合)について紹介します。
STEP 0 : 概要
まずスパコンを使用した大規模計算を行う流れを以下に記します。ざっくりと眺めてくれればOKです。
  1. inputファイル作製 ローカルPC*1でMaterials Studio(可視化ソフト)を用いて初期構造や計算条件を含むinputファイル群を作製
  2. inputファイル移動 MobaXterm(クライアントソフト*2)を用いてスパコンにログインし、inputファイル群をローカルPCからスパコンに移動
  3. 計算 スパコン上で計算を実行、計算結果を含むoutputファイルが出力される
  4. outputファイル移動 MobaXtermを用いてontputファイルをローカルPCにコピー
  5. 解析 Materials Studioを用いてoutputファイルを解析
なんとなく流れは掴めたでしょうか。まぁよく分からなくても一度実際に体験すれば感覚が掴めると思いますので、ここは拘らず次に進みましょう!
 
STEP 1 : 必要なソフトをインストールする
  • Materials Studio
    Materials Studioは、BIOVIA社が提供する分子構造の可視化・編集ソフトです。(参考:https://www.3ds.com/ja/products-services/biovia/)インストール手順はなかなかに複雑なので別記事に掲載しました。
  • MobaXterm

    スパコンにアクセスするためのクライアントソフトです。(こちらから無料版をダウンロード)クライアントソフトはいろんなものがありますが、初心者にはMobaXtermを推します。ちなみに東工大ではMobaXtermの使用が推奨されています(X転送を行う可能性が今後あれば特に)。

 
以上で必要なソフトの導入は終了です。お疲れさまでした。
part 2ではMaterials Studioを用いて簡単な分子のインプットファイルを作成する手順を紹介します。
 
 
 

*1:ローカルPC:自分の手元のパソコン

*2:クライアントソフト:リモートのスパコンにアクセスするためのソフト